2007-09-28 23:16:53
テーマ:釣り
川面に立ち込めた朝霧が、緩やかに上流に向かって流れている。
高山から見下ろせば雲海を形成している雲の主役のこの霧。
次第に濃淡が明らかとなる霧が、やがて澄み渡る青空を予感させる。
今年始めて見る秋色に味付けされた濃紺の空を期待させる。
9月下旬の木曜日、僕は独り、行く夏を惜しんで、払暁の馬瀬川上流部の川原に居る。今年最後のアマゴとの出会いを求めて。
川は平常水位を30センチ程上回り、かすかな濁りを含むササ濁りだ。
川べりに薙ぎ倒された葦が数日前の大出水を物語っている。
気温18度、朝靄の天候に加え水況も申し分なし。水温14度。
『今年の春放流された稚魚が育っているに違いない』
『半年間の釣り人の狂気から逃れ、生き残った強かな大物が産卵期前の荒食いに姿を現すのでは?』
そんな期待を抱いて川に入って小一時間。
腰の魚篭には7寸のイワナを頭に数匹のアマゴが収まった。
しかし小型が多く、釣っては放流、釣っては放流を繰り返している。
エサのミミズを半分食い逃げする器用者も多い。
一旦川から上がり、入漁証を購入して川に戻り、今日一番の好ポイントを目指す。川幅一杯に開けたザラ瀬が急に狭まり、急流となって落ち込む。落ち込みに続く淵は川底が岩盤と大石で構成され、複雑な流れを生み出している。
流れはやがて鏡の様な水面となり砂底のカケアガリを経て、次のザラ瀬へと続く。誰もが竿を出す大物の潜みそうな超一級ポイントである。
川原の砂地には昨日のものと思われる足跡がある。
『水況は昨日の方が良かったに違いない。釣られたか?』
見た目の渓相の素晴らしさと釣果の相関は過去のデーターから1割もない。
解禁から連日釣り人が竿を入れ、釣り尽くされているか、魚がスレ切っている。
僕の原則は一級のメインポイントに主眼を置かずその上下流の付属ポイントを静かに攻める事にある。誰もがメインポイントに気をうばわれ、足を踏み入れてしまうような分流、淵尻のカケアガリ、流れの主筋脇のチャラ瀬、落ち込みの巻き返しが当たる対岸の砂地などに意外な良型が潜んでいる。
次回へ続く・・・
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