2009-04-11 23:14:15
テーマ:動物病院の四季

各地の梅雨入りのニュースが聞かれる頃になると、猫の避妊手術が増え始める。
春先の発情で妊娠し、生まれた子猫の始末に困った飼い主が重い腰を上げる結果である。この時期の患者猫は半野良、餌だけ与えている屋外飼育の猫が多い。室内飼いの猫の場合は発情期の泣き声に飼い主が夜も眠れず、妊娠前に手術につれてくる。
電話での問い合わせ。
「避妊手術の予約ですが、いつが空いていますか」
さすがに最近は料金を最初に聞いてくる猫の飼い主が減った。
猫の避妊手術が定着しつつある。情報化時代のおかげかもしれない。
スタッフが電話口で猫の年齢を聞いている。
「出産したことありますか。お乳は張っていませんか」
しかしこちらから尋ねるのはここまでである。
「先月 出産したばかりですが、子猫はもういません」
もし飼い主の声が一段と低く、このように答えたならばもうそれ以上聞いてはならない。
子猫は何らかの方法で処分されている。飼い主の『悔い』がその語調に現れている。
毎年2回、それも数年間の『後ろめたさ』を語った飼い主もいた。
当院でも避妊手術料金は動物愛護と公共性を考慮して低く設定されている。最新の医療機器を駆使する近年の動物医療からすれば決して高額な費用ではない。
しかしこの金額を普通の人々の家計簿に載せてみる。
そして月々のやり繰りを想像してみればそんなに容易な金額ではない。
『犬を飼うも、猫を飼うもそれは個人の自由。でも動物を飼うことは動物に対する絶対的大権を付与されることだ。一方、銭も手間も要り、時には涙だって要る。その覚悟のない奴は動物なぞ飼うな』
私はこの原則を譲るつもりはない。
しかし・・家内がいつも私をたしなめる。
「優しくね。皆精いっぱいなんだから、それぞれの事情があるのよ・・」
サラリーマン時代、給料日前に5千円札を引き出しに見つけた家内の笑顔を思い出す。
私は今日もウロウロするばかりだ。

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投稿者 : doxycycline 100mg | 2010-09-07 18:41:16