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   <title>石黒獣医科医院 院長ブログ（雑事総論）</title>
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   <title>あけましておめでとうございます  平成２０年元旦</title>
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   <published>2008-01-06T11:13:27Z</published>
   <updated>2008-01-06T11:15:15Z</updated>
   
   <summary>酷暑を予感させる夏の朝 『先生　共同通信社からお電話です』診察中の私を看護師が呼...</summary>
   <author>
      <name>石黒利治</name>
      
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      酷暑を予感させる夏の朝
『先生　共同通信社からお電話です』診察中の私を看護師が呼んでいる。
昨夜送った３篇の原稿への返答に違いない。
「又、クレームかな？」　私は苛立ちを飲み込んで受話器をとる。
『先生！！新聞ではシモネタは厳禁です。朝刊向けの原稿なんですよ。患者さんのオッパイの話なんてもっての外です。世の中のオバちゃんから抗議が殺到しますよ』記者の声が何時になく刺々しい。
『それに不適切用語が多すぎます。後家さんなんて表現は今は使いません』
「それじゃー、未亡人に変えてくれ！」
『それはもっとダメです』
「夫を亡くした一人身の女性では情緒も雰囲気もないじゃ。あのテーマには後家さんと言う表現が必須なんだけど：：：」

昨年の初夏以来、担当記者との間で繰り返されて来たこんなやり取り。還暦前の中間総括のつもりで気楽に引き受けた連載エッセーが私を叱り続け、一方、励まし続けました。独善を非難されて落ち込み、自分の発想が殆ど下半身から出ている事を再認識したり、家内や友におだてられての半年でありました。

岐阜新聞をはじめ全国の地方紙で『動物病院の四季』と題した私のエッセーの連載が始まっています。エッセーの素材は全て私の患者の動物たちや飼い主さんから頂いた労りであることに感謝する新春であります。　ご高覧頂き、ご講評いただければ幸いです。

本年も皆様にとって豊かな年であることお祈りします。

      
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   <title>馬瀬川上流に晩夏を釣る・２</title>
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   <published>2007-10-01T11:29:13Z</published>
   <updated>2007-10-04T10:33:14Z</updated>
   
   <summary>淵尻のカケアガリから攻めることにし、川べりに近づく。踏みしめる砂利音が気に掛かる...</summary>
   <author>
      <name>石黒利治</name>
      
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         <category term="釣り" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
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      <![CDATA[淵尻のカケアガリから攻めることにし、川べりに近づく。踏みしめる砂利音が気に掛かる。

『ウグイが多いし、アマゴは放流サイズばっかりだしなぁ』
仕掛けを投入する前から過去の苦い記憶が蘇り、テンションが少し下がる。

一投目からツン、ツン、ツンと鋭角的なアマゴのアタリ。合わせるが空振り。
やはり小型がエサを半分喰いちぎっている。2投目は針掛かりしたが放流サイズ。

3投目は一挙に目印を消しこむアタリと締め込み、強引に引き抜いてタモに収まったのは7寸のウグイ。魚に触らないように針を摘んで振ってウグイを流れに返す。４投、５投、６投目も小型アマゴの元気なアタリ、でも全て空振り。

出来るだけ水際から離れて、流れの手前から流心そして対岸のブッシュ際を丹念に流しながら少しずつ上流へ移動する。制限ギリギリの5寸サイズを2匹魚篭に入れたものの、良型は姿を見せない。

『やはりか？』
『良型はもう、いなくなってしまった。』
そんな諦めが竿を振る手に伝わり、仕掛けの投入に正確さが欠けてくる。

朝靄がいつの間にか消え、上流の山の稜線が朝日に輝いている。期待通りの秋色の青空に思わず見惚れ、バランスを崩しそうになる。『運動不足か？　足腰の老化か？』　何だか侘しい気分に襲われる。落ち込み脇の大石に乗り、気合もなく落ち込みの泡の真ん中に仕掛けを入れてタバコを一本吸おうとした時、今年最後のサプライズがやって来た。

流れの泡が消えるあたりで目印が突然止まる。根掛かりかと思った途端に目印は水中に消し込まれ、重量感のある締め込みが竿に伝わってくる。一瞬のホワイトアウト！僕の頭は状況を把握出来ずに真っ白となる。しかし思考回路から独立したように僕の右手は確実に反応し、軽く合わせをくれた後、竿の弾力で魚の動きに対応する。腰を低く、両手で竿をためる。回復した思考回路が過去の慙愧を復習する。過去の悔しさから得た教訓は頭ではなく、体に蓄積されていた。

僕は素早く大石から飛び降りて、流れに入り奴が川下に下った場合に備える。今まで不満であったシマノ社製　渓流竿『渓峰　尖　硬中調６１』。今年新調した竿なのだが先月の高原川支流でのドタバタが思い出される。9寸強の山女に急流を下られ、30メートル下まで引きずられ、石組みの護岸を引き降ろされたり、落ち込みに飛び込まされたりで、散々翻弄されたのだ。

『竿の胴の弾性が足らんのでは？』そんな感想ながら『精々、良型も7寸止まりに違いない。小型の引きを楽しむなら硬い竿よりこちらかな？』この竿を選択した不安が一瞬過ぎる。『竿を伸されて糸切れか？』最初、魚は流心の川底を落ち込みに向かって潜行する。凄いパワーだ。竿は弓なりに曲がり、糸が鳴る。瞬時に口の中がカラカラに乾く。しかし竿は下流対岸に遁走しようとする奴を反転させ、一挙に浮かせる。竿の胴が奴のパワーをしっかりと吸収する。

振り子状に水面をバシャバシャはねて足元のザラ瀬に寄ってきたが、奴は人頭大の底石で波立つ流心わきの瀬で最後の抵抗を試みる。足元を右に左に跳ね回り、寄せが上手くいかない。

『石に当てたら外れるぞ』
『このまま川原に抜き上げるか？』
こんな時は焦りと逡巡が一番怖い。


でもこの日の僕は不思議と落ち着いていた。奴の動きが僅かに鈍ったのを見逃さなかった。竿を右手で高く差し上げ、後方に倒して、腰のタモを抜く。竿は極限まで曲がり奴の頭が水面に出てこちらを向いた瞬間、尾っぽから掬い上げる。『アマゴだ！』　体高のある鼻曲がりのオス。9寸近い。

川原に駆け上がり、針を外す。素早くタモの柄先に着いた鹿角を頭に打ちつけシメル。暴れさせて苦しめることなく、一刻も早く絶命させるのが奴への仁義。思わず胸一杯に空気を吸い込み、大きなため息が出る。一時の安心感と充足感。彼を両手の平に乗せてマジマジと眺める。鋭い眼差しに精悍な面構え、燻し銀に光る魚体、オレンジ色に縁取られた尾鰭。ここまで生き抜いてきた歴史が刻印されているかのようだ。

この至福の時に吸うタバコの美味さ。
朝日があたり始める。

澄み切った大気を通して降り注ぐ紫外線は盛夏そのものだ。下半身ずぶ濡れで冷え切った僕の体が急激に温まる。僕は何度も何度も深呼吸をして風のどこかに秋の香りがないか探している。しかしこの乾いた風はまぎれもなく秋なのだが、秋の香りがしない。秋色の青空と乾いた大気、その一方で夏の紫外線と夏草の芳香が同居している。僕はこの不思議な季節の境目に戸惑っている。

この後下流の瀬を中心に竿を振り、8寸弱の良型を含む制限をギリギリの10匹を追加して納竿した。先日ドイツを共に旅した友をもてなす食材が確保できた安堵感に満たされ、シーズン最後を締めくくる僥倖に感謝しつつ郡上八幡への道を下る。開け放した車窓から流れ込む風はやはり秋であった。

<p><img src="http://www.ishiguro-vet.com/photo/26.jpg" width="350" height="250" alt=""><br />
▲釣果の一部（途中の朝飯時に撮影）

]]>
      
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   <title>馬瀬川上流に晩夏を釣る・１</title>
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   <published>2007-09-28T14:16:53Z</published>
   <updated>2007-09-28T15:19:08Z</updated>
   
   <summary>川面に立ち込めた朝霧が、緩やかに上流に向かって流れている。 高山から見下ろせば雲...</summary>
   <author>
      <name>石黒利治</name>
      
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      川面に立ち込めた朝霧が、緩やかに上流に向かって流れている。
高山から見下ろせば雲海を形成している雲の主役のこの霧。
次第に濃淡が明らかとなる霧が、やがて澄み渡る青空を予感させる。
今年始めて見る秋色に味付けされた濃紺の空を期待させる。

9月下旬の木曜日、僕は独り、行く夏を惜しんで、払暁の馬瀬川上流部の川原に居る。今年最後のアマゴとの出会いを求めて。

川は平常水位を30センチ程上回り、かすかな濁りを含むササ濁りだ。
川べりに薙ぎ倒された葦が数日前の大出水を物語っている。
気温１８度、朝靄の天候に加え水況も申し分なし。水温1４度。
『今年の春放流された稚魚が育っているに違いない』
『半年間の釣り人の狂気から逃れ、生き残った強かな大物が産卵期前の荒食いに姿を現すのでは？』

そんな期待を抱いて川に入って小一時間。

腰の魚篭には７寸のイワナを頭に数匹のアマゴが収まった。
しかし小型が多く、釣っては放流、釣っては放流を繰り返している。
エサのミミズを半分食い逃げする器用者も多い。

一旦川から上がり、入漁証を購入して川に戻り、今日一番の好ポイントを目指す。川幅一杯に開けたザラ瀬が急に狭まり、急流となって落ち込む。落ち込みに続く淵は川底が岩盤と大石で構成され、複雑な流れを生み出している。

流れはやがて鏡の様な水面となり砂底のカケアガリを経て、次のザラ瀬へと続く。誰もが竿を出す大物の潜みそうな超一級ポイントである。
川原の砂地には昨日のものと思われる足跡がある。
『水況は昨日の方が良かったに違いない。釣られたか？』
見た目の渓相の素晴らしさと釣果の相関は過去のデーターから1割もない。

解禁から連日釣り人が竿を入れ、釣り尽くされているか、魚がスレ切っている。
僕の原則は一級のメインポイントに主眼を置かずその上下流の付属ポイントを静かに攻める事にある。誰もがメインポイントに気をうばわれ、足を踏み入れてしまうような分流、淵尻のカケアガリ、流れの主筋脇のチャラ瀬、落ち込みの巻き返しが当たる対岸の砂地などに意外な良型が潜んでいる。


次回へ続く・・・
      
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   <title>研修生有美の日記：５日目</title>
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   <published>2007-09-04T09:44:59Z</published>
   <updated>2007-09-16T09:58:01Z</updated>
   
   <summary>実習5日目、最終日です！今日でおわりかぁ、短かったなぁ。 といっても、今日が一番...</summary>
   <author>
      <name>石黒利治</name>
      
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      実習5日目、最終日です！今日でおわりかぁ、短かったなぁ。
といっても、今日が一番盛りだくさん！

まずは、乳腺腫の手術助手！出血が思ったより多く、術衣に血しぶきがっ！
でもわんちゃんには全く問題ありません、大丈夫です。

無事終了し、奥様お手製カレーライスを頂き、本日の、いや、石黒獣医科医院での実習のメインイベントともいえる、豚ちゃんです^_^;

豚ちゃん‥ちゃん‥そんなかわいいもんじゃあない、豚なんです！ギャーギャーいいながら畜産農家のおじちゃんおばちゃんに笑われながら任務無事(？)終了！白衣はう〇こまみれ顔は汗だらだら、仕事はできない、ただの汚い女子だったあたし‥。いい経験させていただきましたm(__)m

この5日間たくさんの犬や猫、診察、手術や処置を見させていただいて本当に勉強になりました。私はこの病院での、先生と飼い主さんの岐阜弁での会話(説明、質問などなど)が大好きです。地域に密着していて信頼されてる先生方はとても尊敬でき私が目指すところでもあります。知識を得て、将来私も獣医師としてがんばります！

石黒先生、奥様、小谷先生、まきさん、れいこさん、なっちゃん、本当にありがとうございました！お世話になりました！みなさんお元気で、頑張ってください☆☆☆
私はりんごの国に帰ります☆

      
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   <title>研修生有美の日記：４日目</title>
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   <published>2007-09-01T15:39:49Z</published>
   <updated>2007-09-01T15:40:24Z</updated>
   
   <summary>今日で実習4日目！   昨日の夜は院長先生お手製のトマトソース＆ぺペロンチーノパ...</summary>
   <author>
      <name>石黒利治</name>
      
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      今日で実習4日目！
 
昨日の夜は院長先生お手製のトマトソース＆ぺペロンチーノパスタを頂きました。
これが、めちゃめちゃめちゃめちゃおいし～かったのです。
その辺の店よりおいしい！
野菜いっぱい、
唐辛子とにんにくがきいていておいしくて、すんごいハッピーになりました。
やっぱ料理できる男の人と結婚しなかんなーっと心に誓い、小牧までぶーんとかえりました。 
 
さぁさぁ、今朝またまた石黒獣医科医院へ！
 
朝の掃除が終わって、入院室のケージをのぞくと、、、
知らないかわゆい子犬！！！！
なっちゃんちのキャバリェです！
これまためちゃめちゃかわゆーーーい！
でも、、落ち着きなしっ＞＜
子犬やからしゃーないけど、吠えまくってたけど、かわいいから許す！
でも、午前中で強制送還されてかえっちゃった！
また来てね、
できれば、月曜日。。。
      
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   <title>研修生有美の日記：３日目 </title>
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   <published>2007-08-31T08:08:41Z</published>
   <updated>2007-08-31T08:09:33Z</updated>
   
   <summary>今日で実習3日目です。 昨日はお休みだったので爆睡しました。 今日からまたがんば...</summary>
   <author>
      <name>石黒利治</name>
      
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      今日で実習3日目です。
昨日はお休みだったので爆睡しました。
今日からまたがんばるぞ！っということでちょっと気合をいれて、石黒獣医科医院へ。
 
今日は朝からザーザー降りの大雨。
雨のせいか午前中はゆったり時間。
入院中の柴犬の、バンテージ交換（1時間以上かかる＞＜）で午前の診療を締めくくりました。
 
お昼過ぎて天気が回復。
一昨日手術をした白犬がずっとぐったりしてたけど、今日はしっぽをふって寄ってきてかわいかったぁ。
早く、ご飯たっぷりたべれるようになってくれますように☆
 
今日は奥様においしいパンを頂いて、幸せ！
 
夕方の診療も、勉強させていただきまーす☆
      
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   <title>研修生有美の日記：２日目</title>
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   <published>2007-08-29T09:26:21Z</published>
   <updated>2007-08-31T08:09:48Z</updated>
   
   <summary>今日は実習2日目です！ お天気は雨。朝から渋滞をぬけつつ今日も石黒獣医科医院へ。...</summary>
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      <name>石黒利治</name>
      
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      今日は実習2日目です！
お天気は雨。朝から渋滞をぬけつつ今日も石黒獣医科医院へ。
 
手術がない予定だったけど、突然、お腹おぱんぱんのわんちゃんが来院、
犬の代表的な子宮の病気、子宮蓄膿症とのことで、緊急手術のスタートです！
 
私も緊急で、助手決定！
緊張っ！どうしよっ！別になんもできない、、一応外科研究室生だけども。。。
先生に厳しく（？）指導されながらも、なんとか手術終了！大きくなった子宮も無事摘出されました。
ほっ。
よかった、何もおこらなくて。
やっぱり、大変だぁ！
先生、いたらなくてごめんなさいm(_ _)m
私も先生のようにささっと手術できるようになりたいです＞＜
がんばれ、自分☆☆☆

      
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   <title>研修生からのご挨拶</title>
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   <published>2007-08-28T14:04:38Z</published>
   <updated>2007-08-28T23:06:13Z</updated>
   
   <summary>はじめまして☆ 今日から石黒獣医科医院で研修をさせて頂いている有美です。 現在、...</summary>
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      <name>石黒利治</name>
      
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         <category term="スタッフブログ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://ishiguro-vet.com/blog/">
      はじめまして☆
今日から石黒獣医科医院で研修をさせて頂いている有美です。

現在、青森にある北里大学獣医学科の5年生です。
去年もお世話になった石黒獣医科医院に、今年もお世話になってしまい、みなさん、ほんと申し訳ないです＞＜

みなさん元気そうでなによりです！院長先生、相変わらず黒いです…。 
ちゃこちゃん、ねこしゃん、相変わらずかわゆい！
今日はじめてお会いした、今年からの新しい看護師さん‘なっちゃん‘の若さにたじたじ…。

今日から一週間、びしびししごかれながら(?)勉強させていただきます。
みなさま、よろしくおねがいします☆☆☆
      
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   <title>アロハ</title>
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   <published>2007-07-01T04:57:12Z</published>
   <updated>2007-07-01T04:58:18Z</updated>
   
   <summary>梅雨の中休み、太陽が眩しく猛暑を予感させる朝である。 「パパ　今日はアロハよ」家...</summary>
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      <name>石黒利治</name>
      
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         <category term="院長のつぶやき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://ishiguro-vet.com/blog/">
      梅雨の中休み、太陽が眩しく猛暑を予感させる朝である。
「パパ　今日はアロハよ」家内がカルテを私に差し出す。
「今日は一人か」と私。
「ううん　初めて見る人と一緒。患者はロンちゃんですから、ちゃんと仕事してください」
家内は意味ありげに笑って受付に戻る。
「亀井のロンちゃん　どうぞ」
赤いハイビスカスのアロハシャツを着た亀井さんが新しい女性を連れてやってきた。
彼女は黒のタンクトップに赤のミニスカートが似合うかなりの美人。
年の頃は３０代後半か。
今日は彼女がプードルのロンを抱えている。
「こ　小谷君。ロンの耳の治療は僕がやるよ。次の患者さんを診てあげて！」
普段、外耳炎の治療は小谷獣医師の担当だが今日は特別に私。

亀井さんは５０代前半、仕事は不動産仲介業。主に貸し店舗を取り扱っている。奥さんとは１０数年前に別居し、ロンとの独身生活が基本形だ。しかし彼の回りから女性の姿が消えたことはほとんどない。同棲、通い、人妻、私が知っているだけでも両手では数え切れない。彼は根っから優しい人だ。そして何よりもあのこまめさは誰にも真似が出来ない。仲介する物件がテナントであることから、店の造作から開店準備まで徹底して面倒をみる。恐らく今日の連れの女性も最近開店したスナックのママさんに違いない。頼まれると「いや」といえない性格、何でも受け入れる大らかさが彼を不幸にも、幸せにもしている。

「亀井さん　ロンちゃんは軽い外耳炎だよ。あさってもう一度来て」
私はロンの治療に手間取っている。
彼女の豊かな胸元が揺れてロンの治療の邪魔をする。
私はもう汗びっしょりなのだ。
「健ちゃん　あさっては出張でしょ。私が連れてくるわ」代わって彼女が答える。
『もう　健ちゃんなんて呼んでいやがる』私は一人呟きながら、会計伝票を受付に回す。
一息入れに二階へ上がろうとする私を呼び止める家内の声がきつい。
「ロンちゃんにノミの予防薬出すんでしょ。亀井さんが先生にお願いしたそうよ」
「あ！ゴメン　忘れてた。出して」私はいつも謝っている。
「眼の焦点はどこに合ってるんですかね？まったくもぅ」家内が睨みつける。
私は家内の胸元を覗き込む大きな仕草で逆襲する。

      
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   <title>職業人としての慙愧</title>
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   <published>2007-05-25T03:21:08Z</published>
   <updated>2007-05-25T03:22:21Z</updated>
   
   <summary>昨年の１１月に相次いで男性二人が狂犬病で亡くなってもうすぐ一年になる。 ８月にフ...</summary>
   <author>
      <name>石黒利治</name>
      
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         <category term="院長のつぶやき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
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      昨年の１１月に相次いで男性二人が狂犬病で亡くなってもうすぐ一年になる。

８月にフィリピンで犬に噛まれ、帰国後、狂犬病を発症して亡くなったのだが、海外で感染し日本で発症した人の輸入狂犬病としては３６年ぶりとなる。

私はこのお二人の犠牲を狂犬病予防業務の最前線にある開業獣医師の一人として、自らの業務に対する怠慢として、又敗北として捉えるべきだとこの間思い続けてきた。

国内で犬の狂犬病が発生したわけでもないし国内での感染ではない。犠牲者が狂犬病常在国で不注意に犬に触れたからだとの論評もあった。狂犬病の場合「暴露後免疫」といって咬傷により狂犬病ウイルスが体内に侵入した後からでも、ワクチンを接種することで免疫抗体を付与し発症を防ぐことが出来る。今日世界中で何十万人の人がこのワクチン治療によって命が救われている。犠牲者がこれをご存じなかったことが発症と死亡につながった。だから知識不足が原因とも言える。

しかしそれを知っていた国民が一体何人いたというのか。

年間２０００万人もの人々が海外に出かける日本の現実の中で、我々はこの恐るべき人獣共通感染症の実態と其の対処法を国民に周知することを疎かにしてきた。

狂犬病予防業務に係わる国、県、市町村の担当部署から開業獣医師に至るまで、この犠牲をどれほど真摯に自らの「職務怠慢の結果」として受け止めたであろうか。

ある調査によれば日本で飼われている犬の総数は１３００万頭と推定されている。一方、狂犬病予防法で義務付けられている登録頭数はその半分、狂犬病予防接種率に至っては４割を下回る低水準にある。世界保健機構がそのガイドラインで示す社会的免疫防御率（狂犬病が日本に侵入した場合、流行を阻止するに必要な有効な免疫率）は７０%が必要だ。

そんな寒々とした現状ではあるが、今年も又全国の開業獣医師が道なき道の山間地を回り、一島に数頭しかいない離島を巡り、咬傷の危険を犯して狂犬病予防注射に奔走した。そうした努力が辛うじて昭和３２年来、国内の犬の狂犬病発症を防いできた事実を自己評価しつつも、私は昨年の犠牲者を開業獣医師の「恥」として認識した。

我々獣医師の任務は予防注射だけではない。我々はもっと語るべきであった。
人類がペストと共に歴史上最も恐れてきた「感染症の恐怖」「狂犬病の恐ろしさ」を。
そしてそれには恐れるにあたらない人類が獲得した対処法（事前・事後免疫－ワクチン－）があることを。

犠牲者への哀悼と共に慙愧の念を抱きつつ。

      
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   <title>春爛漫</title>
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   <published>2007-05-09T18:39:44Z</published>
   <updated>2007-05-09T18:40:27Z</updated>
   
   <summary>朝から日差しが眩しい。風はもう夏を思わせる。乾燥した風を胸いっぱいに吸い込むと本...</summary>
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      <name>石黒利治</name>
      
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         <category term="院長のつぶやき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
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      朝から日差しが眩しい。風はもう夏を思わせる。乾燥した風を胸いっぱいに吸い込むと本当に日本に生まれたことをつくづく良かったと思う。そんな朝早く診察室の鍵を開けた途端、これ又今日の風に相応しく、軽やかな良く通る声が響く。
「先生！　おはよう　ワハァハァ」
「まんだ早かったかな　ゴメン　ゴメン　入ってもええか」
「うん　今掃除してるで　一寸待ってて　ところでどうしたん？」
「又　出来ちまった　ワファハァハァ」
「ええ　奥さん　確か？：：：　一番下の子を去年の今頃じゃなかったっけ：：：：：：：」
「違う　違う　女房じゃなくってさ　こいつ　こいつ」
そう言えば　鈴木さん、小脇にヨークシャテリアのプッシーを抱えている。
「ヒエー　又かよ　去年の暮れに産んだばかりだべさ」
見れば又々ボテ腹のプッシー、痩せちまって全身の被毛は疎らでゴワゴワ。
背骨も肋骨も皮膚をつき上げ、左右に出張った腹部は胎児の動きが透けて見えるようだ。
キョトンとしたまん丸な目が鈴木さんを見上げている。頼り切ったいじらしい眼差し。
「前回産んだ子犬を出したばかりじゃねえか」
「先生に言われて、早くボッキーを去勢しようと思ってたんだが、又やっちまいやがった」
「だから言ったべえ　ええかげんにせんと、身が持たねーぞって！」
この言い方はいかん。鈴木の奥さんに波及しかねない。

鈴木家は昔から多産系なのだ。プッシーも４歳にして既に今回で５産目。２０頭の子持ちである。素人が純血種の交配をすることには原則として反対の僕だが、何故か彼には甘い。
天地の運行に全てを任せるかのような彼と彼の家族の生き方に圧倒されている。
　ランダムブリーディングによる遺伝性疾患の増加が大きな問題になっている。
僕は「この子の跡継ぎがほしい」の純粋な願いから「子犬１匹１０万円」の金銭欲まで一般家庭で子犬を産ませる動機に何か人間の自己中心的な欲望を感じてしまう。動物愛護や学術的観点からではなく、寧ろ議論以前のこの我欲が僕には美しくない、気に入らない。
「小谷先生　点滴してやって」
「鈴木さん　今回限りだぞ　皆で頑張って何とか産ませるべ」

しかし何て名だ！
雄の名前がボッキー、そしてこ奴がプッシー。
ボッキー（勃起　？）とプッシー（割れ目ちゃん）	
本当に何て名だ！！
「飼い主さんの名前よりワンちゃん、ネコちゃんの名前で呼んであげなさい」
「その方が飼い主さんも安心して、心を開いてくれるからね！」　朝礼での僕の訓示。
当院の看護婦は皆素直なのだ。おまけに歴代、皆美人なのだ。
「ボッキーちゃんとプッシーちゃん　奥の診察台にどうぞ」
おいおい一寸待て！　しまった！　教育不足だあ。
大きな声で呼んではいけない名前もあるんだ。　解説しておくべきであった。
これはまずい、うん！超―まずい。
幸い今日の待合室は皆年寄りばかり。今日に限らず最近は患者も飼い主も高齢者が目立つ。院長に合わせてこの頃ピチピチのお姉さんが少ない。ミニスカートのお嬢さんが来ない。皆耳が遠いのか？アメリカのＡＶビデオなぞ興味がなくなって久しいのか？
皆知らん顔。幸い！　幸い！　良かった　良かった。

この鈴木一家、実に愛すべき家族なのだ。人も犬も。
鈴木の父ちゃん、筋骨隆々の体躯に風と太陽に磨かれた褐色の肌を着せて、武田鉄也から頭髪の殆どを抜き取った３枚目半の顔が笑うとクシャクシャになる。
このクシャクシャの笑顔が周りの人々の気分を落ち着かせる。ゆったりとした動作ながら、身のこなしに寸分のスキも無い。この無駄の無い動きが彼の全体のイメージを引き締める。
父ちゃん、家柄、学歴、世間的に言う社会的地位全くなし。職業は「何でも屋」建物の解体から営繕業、屋敷林の伐採から庭作りまで何でもこなす。冬場は猪、鹿を追って山に入る。山刀まで手作りする器用者である。語彙が豊富なわけでもないのに、特に話題性に富んだ話でもないのに、彼の語る仕事先のおばちゃん模様に、猟に入った山里の寓話にいつもワクワク耳を傾けてしまう。いつの頃からか彼の来院を心待ちにする様になってきた。

鈴木の母さん、これが又良い。もうすぐ40歳か？　３男２女の5人の子持ち。今時に珍しい子沢山だ。父ちゃんとは対照的な僕好みの細身の美人。小雪ちゃんを数回日焼けサロンに通わせれば彼女に似た者となる。家内は「小雪ちゃんとは一寸違うんじゃない？」と否定的だが、僕は断固として「小雪ちゃん似だ！」と譲るつもりは無い。長い綺麗な髪をアップで結って、首の長さを際立たせる。５反の田んぼで日焼けした顔にグリーンのアイシャドーとオレンジ系の口紅が良く調和している。いつも石鹸の香りが実に爽やかだ。
でももう数年来の付き合いなのにあまりお話をしたことがない。彼女はいつも父ちゃんの笑い声の後ろにあって控えめである。そんな彼女の性格にもよるが、実は僕は彼女に面と向かうと何とも恥ずかしいのだ。
いつも彼の話題に嬉々と心弾ませつつも、どこか彼女の視線を気にする自分がいる。
あの視線は過去のせつなさを思い出させる。もう忘れた筈の苦味を蘇らせる。

子供たち、これが又最高に素敵なのだ。
僕にとっては彼、彼女らは日本の子供達の救いであるかのようだ。
小学校5年生の長男を頭に昨年の春生まれた次女まで、病院へは毎回、家族総出でやって来る。見る度に益々みすぼらしくなるプッシーを長男が抱かえて、その下の長女が３男の手を引いて、２男は母さんの財布をしっかりと握って。次女はいつも母さんの腕の中で眠っている。僕のお気に入りの３男は今日もひざ小僧に絆創膏が貼られている。
奴らは決して父さん、母さんの前には出ない。長男が兄弟を統率し、長女が乳飲み子を含めて面倒をみる。診察中全員が診察台を取り巻くのだが、病院に付いてくる多くの子供達のように仕事の邪魔をしない。そればかりか長男、長女は診療助手の役割まで果たす。
やたらと器具を触ったり、僕の大事な熱帯魚の水槽を叩いて気分を苛立出せることも無い。
「長幼の序」今や忘れられた規範がこの家族にはある。下への労わりが自ずと上を育てる。こんな全くの当たり前が鈴木家の犬たちを自然と「躾」している。
この家族には家庭犬訓練士なぞ無縁の存在なのだ。生まれた子犬たちは両親と兄弟犬、子供たちによって、コロコロと遊びながら７０日令まで育てられてから里親に出される。
「犬は群れで生活する動物なんですよ。この子にとって貴方の家庭が群れであると思ってください。お父さんが群れのボスで次は奥さん！貴方で！　その次は爺ちゃんでもお子さんでもいいんだけど、ワンちゃんは最下位であることが重要なんです。犬は階級社会の動物です。そして例え最下位であっても自分の位置がはっきりしている事こそが安心して生きてゆく事に繋がるんです。」「最下位だから不孝ではないんです」「渾身の愛情を注ぐ事と、コノ子を家庭内で最も低い身分に置く事とは何ら矛盾しないんです」
鈴木家には全く不要のレクチャーだ。
人は一万年以上も前からの犬と共に生活してきたのに何で今更といつも思う「飼い主教育」。
家族のそれぞれが自分の立場と役割を無意識のうちに自覚し、その中心に労わりがある。

「鈴木さん　プッシーを診るわ　診察台に載せて　怜子ちゃん熱を計って？」
「もうじき生まれそうだべさ　具合悪いんか」
「院長　熱ありません」
「先生　このところあんまり歩かないんだわ。　何かヨタヨタして。寝てばっかしなんだ」
「ところで鈴木さん　奥さんや子供たちは？」
「先生　何言ってんの　今日は火曜日じゃ　女房は田んぼ、子供は学校：：：」
「あっ　そうだったな」　　何か一寸の物足りなさ。
「鈴木さん　度重なるお産での消耗してるみたいだわ　だって２年間で４回だべさ」
「離乳したら又すぐでは？　体力の回復する暇もねーもん。　点滴するか？　用意して」
「先生　点滴に何入れますか」
「小谷君　フルコースで行こう　大丈夫　大丈夫　一回点滴で刺激してやれば、後はひと頑張りだ　プッシーは頑張れる　高カロリー食の缶詰を出しといて」
「鈴木さん　この腹じゃ飯の入る余地ないべさ　一日何回かに分けて食わしてよ」
「ところで今年のアマゴはどうだ？」　　ここからが本命の時間。もう後からやってくる患者は小谷君に押し付けて、プッシーを挟んで釣り談義が始まる。
時間を忘れるひと時だ。　「このヤロー！　もう　尺物を釣りやがった」
：：：：：：：：：：：：：：：
「院長！点滴１００ｍｌ入りましたが、もう少し入れますか」　
ヤ　ヤバイ！点滴見てなかった。もう小一時間も小谷君に押し付けてサボってしまったか。
「れ　れ　怜子ちゃん　終わろうか　留置針は取っていいよ」
「鈴木さん　出産は今週末だと思いますが、お大事にね」　突然オフィシャルな物言い。
生まれてくる子犬は又、穏やかな家族に貰われていくであろう確信がプッシーのみすぼらしい姿を慰める。
「先生　藤沢周平お好きなんですね」　診察室の机に置き忘れた単行本を見つけて鈴木の母さんが語りかけたあの日を思い出している。
数々の思いが彩る春爛漫の朝であった。体の中にも涼風が駆け抜ける朝であった。
夏が近い。

      
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   <title>長良川の春　―本流に幅広アマゴを求めて―</title>
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   <published>2007-04-23T07:38:00Z</published>
   <updated>2007-04-23T07:41:39Z</updated>
   
   <summary>４月初旬、日曜日の昼下がり。４間の本流竿を片手に長良川釜淵橋下流の河畔に立つ。 ...</summary>
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      <name>石黒利治</name>
      
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://ishiguro-vet.com/blog/">
      <![CDATA[４月初旬、日曜日の昼下がり。４間の本流竿を片手に長良川釜淵橋下流の河畔に立つ。
たっぷりと湿り気を載せた生暖かな風が沈丁花の香を含み、その切ない芳香が情緒不安を喚起する。芽吹きを誘うこの風はヒトの心にも行き場の無いはかない高揚を生み出す。
河原の猫柳が綿入れの外套を一杯に膨らませ、今にもはち切れそうだ。
堤に植えられた桜がつぼみを丸く膨らませ春爛漫の近いことを告げている。
低く雲が垂れ込めているうえに黄沙で周囲の山並みも付近の家々も黄灰色に霞んでいる。
河は昨夜の雷雨が大日岳の積雪を溶かし出し、雪代水が薄っすらと濁りを含んで奔流となって渦巻く。平水より３０センチ高い水かさ。
充分な水量、適度な笹濁り、季節外れの高温、曇り空、柔らかな風。雪解け水で水温が若干下がっていることを除けばこれ以上の条件は望むべくもない。
この激流の大石の影に<strong>目指す奴</strong>は必ず居る。
銀鱗に輝く魚体に鮮やかな朱点を散りばめ、丸まると太った渓流の女王。
長良川本流の幅広アマゴ。
型はこの時期、支流や谷では決して出会うことの無い８寸を超える。
嘗て郡上八幡の今は無き伝説の釣り師「吉田の万さ」をして支流のアマゴ１０匹に相当すると言わしめた長良川本流アマゴ。
釣る魚の数は元より問題ではない。
４０年の技量と精神力で女王を正面にして端座し得るのか？
たかが釣り。たかがどうでもいい道楽。「肩肘張って何をそんなに？」と。
だが、しかし！！
爪楊枝削りを一生の生業とした老人の顔を思い浮かべつつ。
宇宙の摂理など、どこにでも転がっていながら、触れることはそんなに容易でない。

水際の大石の上で仕掛けをセットする。シマノ　渓流竿「本流抜　ＳＸ」７０－７５に誘導式天井糸に道糸０８を結び、ハリス０３、イクラ針５号。　　餌はキンパク。
まずは橋の下流、護岸の石組に乗って足下の分流の瀬を攻める。風が少々邪魔をする。足元を探るには竿が少し長い。ポイントへの投入に手間取る。
次にセオリー通り落ち込みの白泡に仕掛けを入れ、流れの両脇に出来た撚れを流す。
時々新しいキンパクに取り替えながら流心、たるみと丹念に探るがアタリは無い。
誰もが狙う一級ポイントは先行者に釣られたか？
常に原則を踏まえたこまめさとひたすらの辛抱。　　奇策は無い。
手前から徐々に遠くのポイントへ。河面の波の変化で川底を読め！！
アマゴは砂地で捕食する時間帯もあるが、彼女らの居つき場所の多くは石周り。
「石を釣る」これは鮎と同じだ。
郡上地方では「男波」「女波」「食い波」と呼んで川の波を識別し、川底の石によって複雑に変化する「どの波に乗せて餌を流すか」が名人技だとして伝承されてきた。
最初の餌の投入から１５分経過するも明確なアタリは無い。
タバコを一本。川面で吸うこの一本の至福！！
気分をリセット。餌を取替え少し下流に移動する。先程から気になっていた小ポイント。
川底には一抱え程の石が点在し、次の落ち込みにかかる瀬の開きに水面の波が複雑に変化している。正面の鏡のような早瀬から投入し、仕掛けが馴染み、流心の中層を流す。
次の落ち込みに流れ落ちようとする間際で目印が止まる。
竿先に微かなアタリ。ゴソゴソ　ゴソゴソ。竿先を僅かに上げてきいてみる。
すかさず伝わる強烈な締め込みに両腕がすばやく反応する。
本流釣りでは竿は両手持ちが基本。剣道で言う正眼の構え。
軽く合わせた後、竿を溜めて獲物の大きさを推測する。
ここが勝負所。すぐ下の落ち込みに入られると厄介だ。随分長く感じられるが恐らく１～２秒の僅かな一呼吸。この束の間の竿の溜めが針をより深く魚の口に食い込ませる。
「うん！　抜ける！！これは７寸オバーか？」
魚は左右に２度の遁走を試みるも、この竿は総調子、しっかりと竿の胴が魚の締め込みを吸収し、しなやかな反発力が一気に獲物を背後の護岸へと抜き上げる。
尾ビレの辺縁が美しい朱色に染まった紛れも無く本流育ちの天然アマゴである。
素早く針を外して、竿尻に獲物の頭を打ちつけ、絶命させる。
随分と残酷な作業に違いない。無用な苦痛を与えない、そして魚を傷めない必要な手順とは言え、未だにいつも心の片隅に冷え冷えとしたものが染み出してくる。
型は８寸に少し足らないが、たっぷりと餌に満たされた福よかな腹部、濃緑色の地肌に銀鱗を纏った妖艶な姿態にしばし見惚れる。
　いつも最初の一匹を手にするまではどんなに実績のある川でも抱える不安がある。
「今年も魚は居るだろうか？」「今日は魚に食い気があるだろうか？」
だからこの一匹が今日の釣行に果たす役割は計り知れない。安堵と意欲。この最初の一匹でいつものペースを思い出す。この一匹で竿の一振り一振りに集中力が出てくる。
釣り場を下流の落ち込みに続くトロ瀬に移し、ひたすら底石の有り方によって現れる水面の変化を読み、仕掛けを出来るだけ自然に流す。先程の一匹は上唇一枚に針掛かりしていた。夕まず目にはまだ間のある時間帯で食いが立っていないらしい。数回流すうちに微かな錘の底擦れと区別できないようなアタリが２回。　　
「きっと居る！必ず居る」「小型か？」「外道のウグイか？」
　もう一人の自分を鼓舞し、時には慰め。「たかがお遊び！お前は何をむきになって::？」
魚に向き合うことは即ち自分に向き合うこと。　これに気づくのに３０数年を要した。
両手持ちの右手人差し指に神経を集中し、目印の僅かな変化に焦点を絞る。
最初の一匹から１５分が経過していた。再びモゾモゾとした竿先に伝わる渋いアタリ。
今度は穂先を素早くしゃくり、合わせる。先程とは少し違う締め込みに竿を一端溜める。
「下流の落ち込みの淵に落として、タモですくうか？　抜き上げるか？」　一瞬の戸惑い。
この戸惑いで過去に多くの悔いを重ねてきた。しかしこの時は頭の演算速度より腕の記憶による反応が勝っていた。大石を越えて魚が落ち込みに入る前に一気に抜く。空中にある間に魚種を確認する。「再び、アマゴだ！良型　良型」心のうちで叫び、護岸下のコンクリートに落とす。以前石組みの間に魚を入れ、回収不能の悔しさを何度も味わった。２匹目は今年の解禁日に成魚放流された７寸強。魚体は雪代に磨かれて天然物に近い美しさを取り戻しているが、尾ビレと背ビレの損傷がまだ完全に回復していない。
急流育ちとプール育ちとでは尾ビレの大きさがまるで違う。少しガッカリする。
この後栗巣川との出合いまで下がり、瀬を探るがアタリがない。
「さあー　いよいよ今日の本命ポイント！流れの主筋、橋下の大きな落ち込みから早瀬だ」
釣り始めの大石まで戻り、川の中央の岩盤に突き出た岩まで増水した急流を石伝いに渡る。
白泡の消えるあたりに仕掛けを投入し両サイドの反流を探る。次に本日一番の核心場所。
水深のある早瀬が扇状に開き次の落ち込みに続いている。瀬の開きはかけ上がりとなり、おまけに川底は岩盤と大石が点在し複雑な流れを形成している。
ここで良型が顔を出さなければ、先程の２匹は「たまたま：：：」と言うことになる。
二流し目に仕掛けが伸びきった途端、グッ　グッ　グッと力強いアタリ。すかさず竿を立てる。しかし焦って竿を立て過ぎ、遠くで魚が浮いてしまう。早瀬の水面でバシャ　バシャと跳ねる。「しまった！針が小さいので掛かりが浅いと外れるぞ！！」鼓動が一挙に跳ね上がり、一瞬にして口の中が乾く。引きは前の魚より強い。岩から流れに入り、タモですくうことにする。右手一杯に竿を突き上げ、タモを差し出すもアマゴは足元を左右に走り回り、中々すくえない。「仕掛けが長すぎたか？」魚に再び潜られたら正面の落ち込みに入られて、バラシにつながる。竿を思い切り背後に寝せて、魚体を水面から吊り上げ、タモに入れる。「やった！　やった！」この一瞬の安堵感と緊張からの開放感がたまらない。
岩に戻り魚を〆る。８寸の良型ではあるが又一寸ガッカリ、尾ビレの辺縁がすれている。
これも放流物の居残り。魚体の回復は早く、銀鱗が美しい。これも腹一杯に餌を取り、本日の増水と濁り、時刻で食いが立って来た事を示している。放流されてから恐らく２～３センチは大きくなったに違いない。早瀬に鍛えられ締まってきた筋肉、引きも天然物と何ら遜色が無いにも拘らず、歓喜が薄い。
　核心場所は確信場所に変わる。
今日のメインイベントは突然やって来た。
大きめのキンパクを尾の近くから刺し、胸の手前で抜く。岩から降りて水に入って瀬脇を２メートルほど下がり先程と同じ筋を再び流す。
先程と同位置で強烈なアタリ。ガツーン！！！目印が引ったくられる。次に来た強烈な締め込みは尺近いか？４匹目となると少し余裕が出てきた。軽く合わせ徐々に竿を立てる。
腰を低くして瀬脇をゆっくりと下りながら魚を寄せようとするが、奴は流心に向かって何度も突っ込みを試みる。対岸近くは川底が岩盤になっていて急勾配で直接次の淵に落ち込む激流となっている。あの流れに乗られたら０３のハリスはひとたまりも無い。水深は既に脛を没し、もうこれ以上流れに入るのは危険だ。魚は中々浮いて来ない。「奴は何物だ？」「成魚放流時に紛れ込んだニジマスか？」「郡上漁協で８寸以上の成魚が放流されたことは無い筈だが？」「何かおかしい？この底へ　底へと向かう突っ込みは：：：：まさか？？」
魚が正面の駆け上がりまで来たときに突然浮く。魚体の全貌が目に飛び込んでくる。
「えー：：まさか？？？この本流筋でか？？」
竿を両手持ちから右手持ちに変え、左手で腰からタモを引き抜く。この時僅かに道糸に弛みが生じ、奴は再び流心に向かって潜行しようとする。「やばい！！」竿は極端に弧を描き道糸が伸びきる。足元の水面でバシャバシャ跳ねては又潜ること数回。中々すくえない。
それでも一瞬、奴の動きが鈍くなった隙に尾ヒレからすくい上げる。
上流の岩に戻りながら奴の正体を確認する。かなり呼吸が速くなっている。
「えー　まさか　やはり？？」何と燻し銀に輝く魚体は紛れも無くイワナである。それも丸まると肥えた体に、ピンピンの尾ビレを持った本流育ちだ。嘗て谷で幾度も同型と出会った事があるが、しかしこんな強烈なファイトをした奴はいない。型は９寸強。尺上にも勝る強い引きであった。谷で生まれた稚魚が増水で本流まで流されてきて育ったものか、アマゴの稚魚にまぎれて放流され成魚となったものかは定かではない。
いずれにしても盛夏に源流部で釣る棒状の魚体とは比べ物にはならない。３０数年前北海道サロベツ原野で釣ったアメマスに酷似した美しさに暫し見とれる。
この後同ポイントで連続ヒット、６寸の天然モノを掛ける。これは所謂「郡上取り」で取り込む。―竿を４５度に立てた段階で魚を完全に浮かせ、引き抜ぬき、左肩前に構えたタモでキャッチする。すかさずタモを腰紐に刺し、竿は右肩に担ぎ、その体勢で魚を外し、次の餌をセットする。―
この後、「またもや？」と思いきやこれはウグイ、流れに返す。
「もういいだろう　終わりにするか」　　ここまで２時間。
暫く振りで出会った納得の釣行。柔らかな川風が一匹、一匹の感動を体内深く定着させる。川にはもうすぐ薄暮が訪れようとしていた。　



<img src="http://www.ishiguro-vet.com/photo/25.jpg" width="360" height="270" border="0"><br>

上からイワナ　２７センチ（天然物）、アマゴ　２２センチ（天然物）、アマゴ　１８センチ（天然物）、アマゴ　２２センチ（放流物）、アマゴ　２４センチ（放流物）]]>
      
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   <title>東崎にて大丈夫に会う　－与那国島紀行・あとがき－</title>
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   <published>2007-04-19T13:45:59Z</published>
   <updated>2007-04-19T13:47:18Z</updated>
   
   <summary>鉛色の空を償って余りある旅でありました。 寂寥感に満たされているが故の暖かさ、そ...</summary>
   <author>
      <name>石黒利治</name>
      
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         <category term="旅行記" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://ishiguro-vet.com/blog/">
      <![CDATA[鉛色の空を償って余りある旅でありました。

寂寥感に満たされているが故の暖かさ、それを飲み込んだ上での労わりを思い知らされた旅でありました。

常に<strong>覚悟を持ってしてある</strong>ことの重大さを教えられた旅でありました。
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   <title>東崎にて大丈夫に会う　－与那国島紀行・４－</title>
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   <published>2007-04-16T03:57:39Z</published>
   <updated>2007-04-16T04:00:49Z</updated>
   
   <summary>『奥様は如何されているのですか？』 ついに聞いてしまった！　いや私ではなく私の愚...</summary>
   <author>
      <name>石黒利治</name>
      
   </author>
         <category term="旅行記" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
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      『奥様は如何されているのですか？』
ついに聞いてしまった！　いや私ではなく私の愚妻なのだが。
ついに又一線超えてしまいやがった！　私だって聞きたくて、聞きたくて先程からウズウズしていた事を家内はいともすんなりと素直に、何の粘性もない語調で！
彼のオーラがそう質問させたのか、彼女は本当の愚妻なのか？
彼は私の逡巡なぞ一向に意に解する様子も無く、カラカラと笑う。

「離婚したわさ！！　僕だけ旅に出て、家内に引き続き会社をやってもらう方法もあったんだけど、僕だけ好き勝手に遊んでいて、家内に日常の苦労を強いるのは一寸ばかしマズイんではないかと思ったし。」
「一緒に旅に出れば、俺は南だ。私は北よ。てなトラブルが起こることは目に見えているしな！！：：：：：：：：：：：：：：やはりそうなるに違いねーと思って！！！」
「俺はオートバイだけでいいんで、好きなことをやらせてくれって：：：：：：家も財産も全部おまえに呉れてやるからってさ:：：：：別れてくれって：：：：：」
「家内は承知して呉れた：：：：：：：：：：：：：：：」
「長男が千葉にいるんでそこへ行ったよ：：：：：：：：」

彼の回顧の弁に不思議と湿り気が感じられない。逆に聞いている我々の受け答えの声が段々と低調になる。彼は時々目線を外して遠くを見るような仕草をする。先程から私はその澄んだ目の奥に秘める寂寥感を探し続けている。しかしそれを微塵も感じ取れないことに一種の苛立ちを覚えつつあった。
海から吹き上げる風はたっぷりと湿気を含み、体が冷え切ってくる。
それにしても何もねー島だ。ここは。森を切り払って一面の牧草地だけが波打つ。
道路はどこまでも不自然なほど綺麗に整備され、快適なドライブを楽しめる。

でも何もねー。この島の神さんはとっくの昔に人間の所業に愛想を尽かし、逃げ出したに違いない。屋久島でも西表でも、島に降り立った時、島の霊気が全身に染み込み、頭の先から指の先まであらゆる場所から邪気が蒸散してゆくのを感じたのに。
整備されればされるほど荒涼感を増してきた展望台。その一隅に出現した３人を包み込む春爛漫の妖気。私は完全にこの妖気に支配尽くされている。
もうこうなったら最後の核心まで聞くのが礼儀だと思えてくる。
一体何が彼に５５年の人生を一度清算させて、旅へと誘ったのか。

『一体旅に出ようと思われた直接の機会、決断されたキッカケは何だったんですか』
一瞬遠くの波頭に目をやった後、足元を見つめながら、彼は語り始めた。
「高校時代から親しかった友人がくも膜下出血で死んだんよ。彼女は手広く事業を展開している社長だったんだが、朝元気で家を出て、会社で午前中の会議をしている最中に突然の出来事だったみたいなんだ。　　　【何か：：：！！命なんてのは？】って考えたのが、始めといえば：：：：：キッカケかもしれんなー：：：：：」
こう話したと時、彼の声は初めて湿り気を帯び、彼の眼が茫洋とした無常観を宿したと記憶している。一瞬ではあったが、彼の目に寂しさの陰影が瞬いたのではと、記憶している。
我々は最後までお互い名のることも無く、左右に分かれて展望台を後にした。

次の目的地に向かう車の中、家内が語りかける。
『彼は１０年って言ったよね。後７年旅を続けるんだ』
『でも嫌いになって奥さんと別れたんではないんだから、』
『旅から帰ったら、又　一緒に暮らすんではないのかしら』
『でも１０年は長いぜ』
『１０年の空白って埋められないんじゃないか』
家内とそんな会話を交わしながら、私は全く別な想念の中にいた。
男は所詮　【見果てぬ夢追い人なのかもしれない】　
【青い鳥は隣に居る。それを充分に了解しつつも、雲の向こうに別な、もっと輝く自分が、あるいは泰然自若とした自分がいるような気がしてならない】


      
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   <title>東崎にて大丈夫に会う　－与那国島紀行・３－</title>
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   <published>2007-04-11T18:04:20Z</published>
   <updated>2007-04-12T01:05:38Z</updated>
   
   <summary>『どこからおみえですか』 「故郷は福島です：：：：」　 彼の表情には何かを思い出...</summary>
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      <name>石黒利治</name>
      
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      『どこからおみえですか』
「故郷は福島です：：：：」　
彼の表情には何かを思い出した様子が浮かぶ。

｢３年前福島を出て日本海側を南下して鹿児島から沖縄に渡り、西表を経てこの島かー｣
『えー　３年も旅してるんですか』
「うん　６０歳過ぎてはじめたんでは体力的に働けないと思って」
『えー　働きながら旅してるんですか』
「昔土木関係の会社をやっとったもんで、重機の運転なんかの仕事かなー　ユンボとか」
「ん！！アルバイト　ん！ん！アルバイト！！！」
『そ！　その経営されていた会社はどうなさったん：：です？』
「一応形は休業にしてあるだが、実質は廃業かも？従業員が何人も居たもんで、彼らの再就職の手配やら、仕事の整理で１年かかったわ：：：：：」
「最後にダンプカー、各種重機を売って退職金に当てるまで結構大変だったなー：：：：」
しばし訪れた沈黙。３人所在無げに海を見つめ其々に思いを巡らす。

わたくし的には結構重い。僅かながらでも人の人生を預かる立場にある者としてやはり彼の決断はあまりにも重い。話題が他人が土足のままで踏み込んではいけない彼の聖域に立ち入ろうとしているのではないか？「場の重さに立ち尽くす」とはこんな場面なのだろう。
この沈黙がシンド過ぎて、無難な話題に戻す。

『どこに泊まってるんですか』
「結構社員寮とか、飯場なんかも空いてるし：：：」「その土地、その街で仲良くなる人が出来たりして、そこで世話になったこともあったなー」
この笑顔が彼の払う宿泊賃なのかも。　
「時々珍しいものが手に入れば料理して呉れるおばたんもいて：：ハハｧｰ　ハハァー」　　
底抜けに明るい笑顔と豪快な笑いが身にまとう虚飾を剥ぎ取る。
吹き抜ける涼風がシガラミに埋まった感性を覚醒させる。
錆び付いた感性を言葉の一撃で地肌むき出しにするのではなく、彼の吐息が柔らかなバイブレーションとなり、人肌の温もりの中で、心の滓を溶解してゆく。

人はヒトによって如何様にも変われるもの。意固地にも残酷にも餓鬼にさえなるものらしい。一方相手次第では翼を得た天馬のごとく自由に大空に駆け上り、より高い精神世界に遊ぶことだって出来るのかも知れない。

      
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