2010-03-02 04:42:12
季節は7月、遅い夏がシアトル郊外にもやって来た。 友人宅のテラスでこれを書いている 僕の足元にはこの家の愛犬ジャジャ(シェパードの雑種、雌、4歳)が昼寝をしている。 庭先のモミの枝が不自然に揺れた。...
2010-02-09 02:53:39
ハワイ島コナ、コーストの乾いた潮風が心地よいホテルのテラス。 家内がスズメやハトにパンくずをやっている。 一昨日よりも昨日、そして今朝。スズメたちが我々との距離を縮めてきた。 今一羽のスズメは私の手...
2010-01-30 03:37:14
「おばちゃん 豚臭い車で悪いな」 昨日の予防接種の残り香、豚舎の臭いが強烈な車内。僕は北岡のおばちゃんを軽四輪に乗せて家まで送る途中である。 彼女はいつもの如く迷い込んできた家出猫を連れて診察にやっ...
2009-06-13 13:01:29
木枯らしが電線を鳴らす厳冬の朝。マルちゃんが厚い布団に包まれ、父さんに抱かれて今日もやって来た。 マルちゃんはゴールデン・レトリバー、雄の12歳。私を慕ってくれる数少ない患者である。2年前にミエローマ...
2009-06-10 12:52:11
今年の冬最初の木枯らしが電線を鳴らしている。私の背中で燃えている暖炉の火が心地よい。 20年前家を新築する折、あちこちの予算を削り暖炉を作った。薪の確保に四苦八苦しながらも、幸い今日も暖炉は燃えてい...
2009-06-08 12:43:57
「パパ。このせんべい、賞味期限切れだけど、食べるぅ?」 台所で家内が聞いている。 「腐ってないなら、食えると違うか」 銀杏を焼いている私は火鉢から顔を上げ答える。 煎餅も銀杏も、市内の中学校教諭の田...
2009-05-14 15:16:44
夏の最後を焼き尽くす太陽が朝から眩しい。 爺様がオンボロ自転車をキーコ、キーコと鳴らしてやって来た。老猫のタマは、荷台にくくり付けたダンボール箱から、悠々と顔だけを出し、逃げようともしない。 「先生...
2009-05-02 15:11:46
『プシュー』私が缶ビールを開けると、すかさずチャコちゃんが飛んで来ます。 チャコちゃんは5歳。メスのシーズー犬、わが家のお嬢様です。彼女は決して酒好きではなく、私の枝豆を狙って足元に座ります。でも彼...
2009-04-24 02:47:18
「先生 居るかぁ」 休憩時間に玄関で誰かが呼んでいる。昼寝を邪魔された私は不機嫌に応対する。 「こんな時間にどうしたん。今診療所を開けるから」 「いつも世話になるんで、これ・・。先生、やっと仇を取っ...
2009-04-17 02:16:50
鉢植えのカサブランカが匂うこの季節はツバメの雛の巣立ちの時でもある。 毎日のようにかかってくる電話。 「ツバメの雛を拾いましたが、どうすればいいんですか」 どこにでもせっかちな、慌て者はいるものだ。羽...
2009-04-11 23:14:15
各地の梅雨入りのニュースが聞かれる頃になると、猫の避妊手術が増え始める。 春先の発情で妊娠し、生まれた子猫の始末に困った飼い主が重い腰を上げる結果である。この時期の患者猫は半野良、餌だけ与えている屋...
2009-03-05 18:14:11
山の緑がいよいよ濃くなると、新茶摘みが始まる。働けるものはすべて、険しい山肌に開かれた茶畑に出払い、猫の手も借りたい季節だ。 毎年この時期、山間の集落を回って狂犬病集合注射を行っている。 獣医師と問...
2009-02-22 00:45:19
梅雨真っ最中の曇天の夕暮れであった。 私と小谷獣医師は一枚のプリントアウトを前に頭を抱えている。血糖値457mg。この数字が示すほぼ確実な診断名は「糖尿病」だ。患者はシーズー犬、雄、十歳。今日の来院...
2009-02-12 23:38:44
私は手術助手の家内を相手に当り散らしている。 別段、家内に腹を立てているわけでない。体重5キロもあるメス猫の避妊手術の最中なのだ。皮下脂肪は厚いところで1センチを超え、お腹は脂肪組織に満たされている...
2009-02-05 23:37:09
澄み渡る青空の美しい朝であった。 僕の大好きな鈴木一家が先週出産したばかりのマルチーズのアイを連れてやって来た。 「先生 アイがだいぶ疲れてる。点滴してやったらと思ってな」 と父さん。 「ここんとこ...
2009-01-29 15:42:08
チワワのロンちゃんは17歳。かつては米茄子と割り箸で作った野菜の動物模型にそっくりな体形であった。田辺の爺さんが戸棚も冷蔵庫も一杯になる程おやつを買い込み、与えた成果である。 それが今やっと、カルテ...
2009-01-08 12:15:54
「ネコシャン」がやってきたのは季節を先取りした氷雨が降る初秋の夕暮れであった。当時、生後一ヶぐらい。白黒模様の典型的な日本在来の雑種雌猫である。 あの日、道端の側溝で泣いているのを中学生が拾ってきた...
